痔を予防するために
おしりはいつも清潔に
汚れが残ると細菌が繁殖し、かゆくなったり炎症をおこして痔を悪化させます。でも直接石鹸でゴシゴシ洗うのは、皮膚への刺激が強すぎるので良くありません。お尻を洗うときはぬるま湯で。シャワートイレもおすすめです。
毎日お風呂に入りましょう
お風呂に入ると、血行が良くなり清潔にもなります。イボ痔が腫れて痛いときでも、お風呂に入っている間は痛みがひいて楽になります。ただし肛門周囲膿瘍などで熱を持ってズキズキ痛むときは、入浴は止めてシャワーにしてください。
トイレはなるべく短時間で
長くいきむと肛門に負担が掛かります。トイレは3分以内を心掛けましょう。排便習慣をつけるのは良いことですが、便意がないのに毎朝新聞を持って長時間トイレにこもるのは、痔には決して良くありません。無理にいきんだり、長時間の同じ姿勢(立ちっぱなし・ドライブ等)は、うっ血をおこして腫れる原因になります。
便秘や下痢をしないように
便秘になると便が太く硬くなって肛門を傷つけ、痛い切れ痔の原因に。また無理に出そうといきんで痔が腫れることも。便秘予防には日頃から、繊維質の多い野菜や果物を多く食べるなど、バランスの取れた食事を心掛けましょう。逆に下痢は肛門を刺激し、不潔にもなりやすく細菌感染を起こすこともあります。冷たい食べ物や、アルコール、香辛料の取りすぎは、肛門を刺激し下痢や血行不良の原因になります。
日常生活での注意
便意を我慢すると便秘になります。便意を感じたら、長時間我慢せずにトイレに行くようにしましょう。散歩やジョギングなど体を動かすことも、便通を整えるために大切です。水分は便を柔らかく排泄しやすくするので、たっぷり取りましょう。(1日コップ8~10杯)また野菜炒め、てんぷらなど、適度な油分は便通をスムーズにし排便を促します。
食物繊維の多い食品(便を柔らかくする食品)
りんご
バナナ
ブロッコリー
キャベツ
にんじん
えだ豆
小松菜
蓮根
みかん
しめじ
なし
かぼちゃ
しいたけ
ほうれん草
さつまいも
良い食品・悪い食品の一覧表
良い食品 | 海藻類、寒天、ところてん等、全粒粉のパン、乳製品(牛乳、ヨーグルト)、油脂類(バター、ごま油) |
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悪い食品 | お茶、ココア、しぶ柿、赤ワイン(多量のタンニン酸を含みます。下痢を止めるために用いられることも) 肉類にかたよった食事(ほとんどが吸収されるため、便の量が減少し、大腸の蠕動運動が弱くなる) |
温水洗浄便座に注意
「ウォシュレット」「シャワートイレ」と呼ばれている温水洗浄便座は、2021年現在、一般家庭への普及率は80.3%になっているそうです(一般社団法人 日本レストルーム工業会 調査)。
使いすぎには気をつけてください。最近肛門周囲の掻痒を訴える患者が増えています。まだ正式な名称ではないと思いますが、「温水洗浄便座症候群」と言う用語が専門家の間で使用され始めました。水圧は弱く、短時間でお願いします。徹底的に洗浄するのは厳禁です。